医学の小部屋

皆さんお元気ですか?

2010/09/03

こんにちは、9月になっても連日の猛暑は衰える気配がありませんが、皆様、いかがお過ごしでしょうか?
今年は熱中症で病院に搬送された人が4万人を突破し、搬送直後に死亡が確認された人の数も、過去の最高記録903人(2007年)から倍増する勢いです。
とりあえず、8月も終わり。皆様のご体調にも猛暑の影響が出てくる頃ですね。天気予報では9月を過ぎても暑い日が続くそうで、まだまだ猛暑対策が必要です。
打ち水、簾(すだれ)、スイカ、風鈴……。
もともと日本の家屋は夏向けにできていて、部屋を開け放して風が抜けるだけで涼しかったはず。なのに現代の都会は、コンクリートやアスファルトの照り返しや排気熱がひどく、同じ32度でも緑豊かな高原と較べたら、体感温度に5~6度差がある気がします。
さて、夏バテの主な原因はビタミンやミネラル・たんぱく質などの不足と、冷房による自律神経の乱れだといわれます。夏の暑さでバテている方は、この機会に食生活を見直し、冷房対策を徹底して体力低下を防ぎましょう。特に、職場での冷房の設定温度のせいで冷え性になっている女性の場合、職場や電車の中で着るものを調整するだけでなく、帰宅後、ゆったりと浴槽に浸かって質のいい睡眠を確保したり、インナーをシルクやコットンに替えたりするだけでも、かなり症状が改善します。
夏を活動的に過ごしすぎた方は、いわゆる「おもしろ疲れ」。本人が気づいていないストレスと疲労が原因なので、骨休めすれば回復します。一般に、前向きな性格の人は予定を詰め込みすぎてしまうので、体調が今ひとつの時はスケジュールを見直して、できるだけ仕事や遊びの計画を減らしましょう。
問題なのは、強い疲労感や倦怠感が長期間続いている方。これはすぐ休息が必要です。いくら休息しても疲れがとれず、微熱や喉の痛み、リンパ節の腫れ、関節痛が続く方は、慢性疲労症候群(CFS)という病気が隠れている可能性があるので、専門医の診察を。ただ、CFSと診断されたとしても、基本的にはバランスよく食事をとり、規則正しい生活を送ることが大切です。暑さに負けず、身もココロも大切になさってください。

~平成記念病院 内科 佐藤 宏~