健康だより

健診に使われる主な検査項目の意味と基準値

2011/02/01

 近年、「メタボリックシンドローム(メタボ)」という言葉は日常生活・テレビなどですっかりお馴染みになってきました。メタボリックシンドロームとは脂肪が内臓のまわりにたまりすぎることによって生活習慣病や動脈硬化性疾患が起こりやすくなっている状態のことです。メタボリックシンドロームの人を見つけ出すための健診がメタボ健診(特定健康診査)です。健診に使われる主な検査項目の意味と当院の基準値を表にまとめました。

■健診に使われる主な検査項目の意味と基準値

項目 意味 当院基準値 メタボ健診基準
BMI(体格指数) Body Mass Index
肥満の程度を知るための国際的ものさし
BMI=体重(Kg)÷身長(m)÷(m)
19.8~24.1 25以上
収縮期血圧(最高血圧) 心臓が収縮して大動脈に血液を押し出している時に血管の壁にかかる圧力 139~101mmHg 130mmHg以上
拡張期血圧(最小血圧) 心臓が弁を閉じ、拡張して大静脈から入ってくる血液をためている時に血管の壁にかかる圧力 61~89mmHg 85mmHg以上
中性脂肪 体内に蓄えられてエネルギー源として使われる。
寒い時には体の熱の放散を防いで体温を一定に保ったり、外部からの衝撃から内臓を守る。
増えすぎると動脈硬化を進める。
150mg/dl未満 150mg/dl以上
コレステロール 生命の維持には欠かせないもの。細胞膜やホルモン、胆汁酸の材料や原料になる 125~219mg/dl  
HDL-コレステ(善玉)ロ-ル 余分なコレステロールを末梢組織から回収して肝臓へ戻す 40mg/dl以上 40mg/dl未満
LDL-コレステ(悪玉)ロール コレステロールを末梢の組織へ運ぶ 140mg/dl未満  
血糖 血液中のブドウ糖のこと
ブドウ糖は全身の細胞を動かすエネルギー源
60~109mg/ml
(早朝空腹時)
100mg/dl以上
HbA1c(ヘモグロビンA1c) 血液の赤血球に含まれ、全身に酸素を送り届ける働きをするヘモグロビンは、血液中の濃度の高いブドウ糖にさらされるとブドウ糖と結合する。その結合した物質の一部がHbA1c。正常なヘモグルビンに対するHbA1cの割合(%)をみる。過去1~2ヶ月の血糖の状態を反映し、その間のおおよその血糖値の平均値をあらわすものとされる。 4.3~5.8% 5.20%
AST(GOT) 肝臓の細胞の中にある酵素。肝細胞の破壊の程度をみる。 8~38IU/L  
ALT(GPT) 肝臓の細胞の中にある酵素。肝細胞の破壊の程度をみる。 4~44IU/L  
γ-GTP 胆管でつくられる酵素。肝細胞の障害、胆汁の流れ具合をみる。 16~73IU/L  
尿糖 尿中のブドウ糖の量をみる (-)  
尿蛋白 尿中の蛋白量をみる (-)  
喫煙(タバコ) 末梢血管が収縮して血圧が上がる。慢性の一酸化炭素中毒となり動脈硬化が起こりやすい。   吸う

 

 メタボ健診(特定健康診査)の結果によりメタボ健診基準(特定健診基準)に当てはまる人はメタボ指導(特定保健指導)を受けなければなりません。
 メタボ健診基準とメタボ基準は違います。

 ぜひ最近受けられた健康診断の結果をチェックしてみてください。
 メタボリックシンドロームは、生活習慣の改善によって、予防・改善ができるものです。ぜひご自分の生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか。次の健診結果が変わるかもしれませんね。

平成記念病院 臨床検査科